プロジェクトストーリー

PROJECT STORY

安心・安全な水を造る。
社員全員が使命感を強く持ち、日々水の問題と向き合っています。
理水化学の提案とは。理水化学のソリューションとは。
2つのプロジェクトを紹介します。

思い出の地で
後世まで残る仕事を

名古屋支店 営業職 田中健太 (2012年入社)

ろ過が追いつかず、濁った水が浄水側に流れ込む。そのような緊急事態に陥った三重県熊野市の遊木浄水場。まさに一刻を争う事態。この問題に真正面からぶつかっていったのは、営業6年目の田中でした。

一般的に洪水対策や治水のために河川に手が加えられることは多いのですが、そのために環境が変化してしまい、浄水施設に影響が出ることがあります。遊木浄水場がまさにそうでした。河川工事の結果、浄水施設の水源に想定を超えた濁度上昇が見られ、お客様が使われていた既存のろ過設備では処理能力が追いつかなくなってしまったのです。やがて浄水側へ濁ったままの水が流れ込む事態に。一般のご家庭にも健康被害が出ることが懸念され、緊急の対応が必要になり、ご連絡をいただいたことが、はじまりでした。

当社が選ばれたのは、熊野市の他エリアでも多数の実績があったからだと思います。当時使用されていたろ過施設は他社製のもの。しかし施工が古く、以前の施工会社との関係性も断たれていたため、私たちが対処するしかありませんでした。私が居る名古屋支店から現地までは片道160キロの道のり。状況を視察してから対策を立てるべきでしたが、それではきっと間に合わない。そこで移動中に緊急可搬装置のラインナップの中から早急に膜ろ過装置を調達できるよう手配し、自らも作業車に乗り込んで現場へ向かいました。
営業である自分にどこまでできるのか不安はありましたが、新人の時に経験した現場代理人の記憶と、これまで培ってきた知識を総動員して工事を指揮しました。本社や支店内の方々の協力もあり、なんとか設備を仮設することができ、その結果、元のきれいな水に戻すことができ、被害を最小限に食い止めることができたのです。

その後、遊木浄水場では弊社のろ過設備を導入することも決定。営業としても大きな貢献ができたので良かったです。
実は熊野市は私の思い出の場所。入社して間もない頃の研修として同市内にある他の浄水場で短期間、現場代理人をさせてもらったのです。当時右も左もわからなかった私に、市の職員の方々や住民の皆さんが優しく接してくださいました。この思い入れのある場所に今後30年、40年も残る設備を納入できたことを誇りに思いますし、少しでも皆さんに恩返しができたのかなと思います。これからも後世に残る、そんな仕事を一つでも多く残していきたいですね。

市民の飲み水を止めることなく
市内最大規模の浄水場を一新する

大阪支店 施工管理職 谷口準(2017年入社)

市内最大規模の処理能力をもつN浄水場。50年近く前に理水化学がろ過設備を納入しており、設備の老朽化に伴う更新のご依頼をいただいていました。水道を止めることなく、浄水場を一新する。約5年にわたるプロジェクトを任されたのは、当時入社2年目の谷口でした。

このプロジェクトの大きなポイントは、給水を止めずに古い設備を更新していくこと。市内でも人口の多い地区に送水するメインの浄水場であり、長期間断水させるわけにはいきませんでした。そこで重要になるのは工事の段取りです。古い設備を一つ壊し、そこに躯体を建て、設備を据えて、試運転を実施。51項目にのぼる水質検査を終えてやっと各家庭に繋がるバルブを開放します。これを複数回繰り返すため、複数の関係会社との日程調整・作業方法の連携が欠かせませんでした。

もともと水道関連の仕事をしていたとはいえ、ここまでの規模のプロジェクト経験は初めてで、上司からアドバイスをもらいながら進めました。工程計画以外にも、試運転で出た排水や汚泥の処理方法も、課題にあがった一つ。新しく建てる度に専用の排水ラインを引いて対応することが求められました。他にも大きな車両の搬入方法など、設備を据え付けること以外に気を配ることが多かったですね。

また、運用開始後に配管が汚泥で詰まることが想定できたため、詰まりを解消する逆流機能を追加することも、ご提案させていただきました。施工管理が自分自身で現場を見て、購買を担当し、図面の管理を行う理水化学だからこそ、お客様のためにできたことだと思います。
実務以外で印象に残っているのが、地元の人との関わりです。周辺にお住まいの方と毎日顔を合わせるうちに自然と仲良くなり、野菜や果物をいただいたり、地域のお祭りに呼ばれたり、快く受け入れていただきました。みなさんと良好な関係を築いたまま現場を納められたのは、とても自信に繋がりました。

このプロジェクトで得た経験は、私にとって大きな糧となりました。「無事、更新できました」と、OBのみなさまにも胸を張って報告できる成果が出せたと自負しています。これからも蛇口を回せば安全な水が出てくる当たり前を、守り続けたいですね。

CONTACT

お電話でのお問い合わせ

メールでのお問い合わせ